NO,147 田んぼ通信 平成18・12・13

 一年があっという間に過ぎようとしています。 
今年も、お米を通して たいへんお世話になりました。 私達は、皆様の支えがあればこそ米づくりが継続できます。一年の締めくくりにあたり、こころから感謝いたします。
ありがとうございました、新しい年もよろしくお付き合いをお願い致します。
稲刈りが終わった田んぼは、ひっそりと静まりかえり人影はありません。 
今年の田んぼの様子が、いつもと少し違います。
今の時期、秋耕が終わっているのですが 殆どの田んぼは稲刈り直後のままです。
今年の稲刈りの苦労を象徴するかのように、コンバインが動いた跡が大きな溝となって残っています。しかも、その溝に水が溜まっているのです。 秋耕するにも、田んぼが柔らかくトラクターが入れないのです。 年内中に秋耕を済ませ 新年を迎えるのですが今年は年を越しそうです。 天気が変です。 例年 稲刈りが終わると冷たい北風が吹き 田んぼが一気に乾くのですが今年はそれがありません。 全くといっていいほど 乾いた北風が吹かないのです。
しかも、11月に入ると、毎朝のように霜であたりの景色が真っ白に変わるのですが強い霜も降りません。 今朝6時の気温は零度。 薄っすらと霜が降りましたが 今の時期としては暖かな朝です。 気温が高いのは、過ごしやすくて良いのですが、来年の稲作が心配になります。 オーストラリアの大干ばつによる小麦の不作報道。穀物相場が上がりだしました。12月だというのにフィリピン各地を襲った台風による大洪水。など地球的にお天気が変です。 今年の稲作は、終わってみれば全国平均で「不作」でした。 それでも今の日本、お米の値段はいっこうに上がりません。 身近な食料品売り場には、食べ物や農畜産物が溢れています。 テレビでは、秋冬野菜の価格が暴落して、収穫されずにトラクターで廃棄処分されている映像が映しだされています。
日本の現状を見るかぎり、命を支えるべく「食料品」が満ち溢れている世界が確立されたと思いたくなります。子供の頃、食い物を粗末にすると「ばづ(罰)あたる」といわれました。この言葉も死語になったように錯覚する昨今の食糧事情です。
しかし、私はまだ53歳。考えてみれば、食べ物が満ち溢れる状況はつい最近20年あまりの出来事に過ぎません。百姓をはじめた頃は、食糧増産農政の名残を受け継ぎ、少しでも多くのお米を収穫する為に熱心に田んぼに通ったものです。
生産現場で日々暮らす者の実感として、今日的状況は、 まさしく「バヅ(罰)あたる」という言葉そのものです。 いつ、「ばづ」があたってもおかしくない状況。それが今の日本なのだとの思いが募ります。 12月だというのに冬らしくない天気。世界的にお天気が変です。来年度から日本のコメ政策が大きく変わります。従来のバラマキ農政を改め、日本の食糧生産を担う担い手に政策を集中する農政にかわります。その方向性は、良いとしても問題は、その改革の手法であり、スピードです。 今の状況が続けば、小規模農家はもちろん、肝心の担い手農家といわれる農業経営者までが農業に見切りをつけざるを得ない状態です。このままでは、一気に農業生産の担い手がいなくなるでしょう。 
将来を見据え、責任を持って食糧生産に携わるものがいなくなる。 報道こそされませんが、天候も含めて日本の食糧生産基盤は確実に脆弱な構造へと向かっています。 
如何なる状況がこようとも、お米を通したお付き合いが続くかぎり、皆さんの食べ物の供給者であり続けたいと思う今日この頃です。
良いお年を お迎えください!!! 


NO,146 田んぼ通信 平成18・11・15

 11月中旬だというのに、例年になく暖かな毎日が続いています。
お天気様と暦を気にしながらの大麦の種蒔き作業も無事に終わり、ホットしている今日この頃です。 10月末から始まる大豆の刈り取り作業、それと同時に行われる大麦の種蒔き作業。毎年、稲刈りが終わったこの時期に繰り返される二毛作作業は、お天気勝負。しかも、昼間の時間が極端に短くなる時期です。朝5時でも辺りは暗く、夕方4時を過ぎるとあっという間に暗くなります。 最近のトラクターは、キャビン付き。キャビンの前後に立派な作業灯が付いていますので夜間作業も苦になく出来るようになりました。早朝から夜遅くまでの作業が可能になりました。 
ところで、大麦の価格の低迷から麦を作る農家は減り続けています。今では集落内では我が家だけ、村の中でも数軒の農家がかろうじて麦作りを続けている状態です。 我が家は、農業専業農家。いい作物を作ることが仕事。大豆と大麦の二毛作は、品質の良い作物を収穫する為に欠かせない作業体系です。連作障害を防ぐ為の先人の知恵です。生産調整で田んぼを畑として耕作しているかぎり、いくら忙しくとも この作業は続けていくつもりです。稲刈が済んで静まり返った広く暗い田んぼにポツンと一人。作業ライトをつけてのトラクター作業、寂しく感じる時もありますが・・・。それでも、お天気様に恵まれ大麦の種蒔き作業が終わりました。 来年の農作業は、順調にスタートできました。
収穫が終わった今の時期、恒例のJAまつりが行われます。 今年も11日から12日の二日間行なわれました。今年のJA祭りに、コロンビアからJICA研修員がやってきました。コロンビアの大学や高校で数学や理科を教えている先生13名です。私達「角田市アジアの農民と手をつなぐ会」が受け入れ団体です。農業とは全く関係ない分野のJICA研修員を、なぜ角田の農家グループがホームスティーを受け入れる事になったか。タイ国・イサーン地方の農民、JICA(国際協力機構)とのお付き合いが始まってから15年以上の月日が経ちます。その間、「日常の生活を体験しないで、協力する関係が生まれるはずがない。ましてや、行った事も見たこともない外国の人に 協力する?国際協力の第一は、一人一人の人間として認め合う事ことから始めることがホントでは。先ずは、自分達の生活からオープンにし海外の人たちを受け入れる」 そんな事を基本に活動を続けてきました。 JICA東北の深いご理解をいただき、海外から来たJICA研修員の皆様に 角田の農村生活を体験していただきたい、という私達の希望を取り入れていただき今回の事業となった訳です。 JICA内部には、教育者養成研修に呼んだのだから農村体験研修(ホームスティー)等は必要ないという考え方がまだまだあるようです。しかし、国際協力の原点は、「お互い同じ人間である事を、確かめ合うことから始まる」これが私達の基本的なスタンス。「夜の交流会」、そして「ホームスティー」は、私達が最も得意とするプログラムであり、国際協力を有効に進めるために必要不可欠な事業だと考えます。


NO,145 田んぼ通信 平成18・10・16

 今年も お陰様で無事 稲刈りが終わりました。 田んぼから稲の姿がなくなり、人影もなく静かな風景が戻ってきました。 収穫作業が終わった今の時期が 一年でいちばんゆったりとした時間がムラ全体に流れます。 
昨日は、村の運動会。 人口4千人余りの村。田んぼの面積が約700ヘクタール余りを有する 県南で最も広い田んぼがある水田単作地帯です。10年前までは、殆どの家でたんぼを耕していました。 毎年 収穫が終わった今の時期に行われる村の運動会は、収穫を祝う場でもありました。 「コドス(今年)なんぼコメが取れた」等の自慢話や収穫にまつわる話が会場のあちこちで話題になったものです。 最近は、少し違います。 昨日の運動会でもそうですが、殆ど たんぼに関する会話を耳にする事がなくなりました。 ここ数年 田んぼは持っているものの、自分では耕作せず稲つくりそのものを専業農家等に、委託する農家が急激に増えてきたことが大きな原因です。
水田単作地帯です。一年の稲作作業に合わせて、地域全体の生活のリズムが成り立っていました。例えば、大きな行事や会合を持つときは、農繁期の田植えや稲刈り時期を避けて日程を調整します。私自身そのことが 当然だと思っています。しかし、その当然のことが時代と共に当たり前ではなくなりつつあります。 
ところで、収穫が終わった今の時期 誰となく口にする言葉に「百姓の来年」という言葉があります。 自然相手の稲作り、全て人様の思うどおりにいきません。今年も終わってみれば、品質的には自信を持ってお届けできるお米に仕上がったものの、収穫量は少なめです。 今年の天気を考えてみれば、よくぞ「お米」になったものだとも思いますが、来年こそはとの思いも募ります。
稲作りは、春先の育苗が始まるときに心する「毎年一年生」に始まり「百姓の来年」で終わります。 毎年々、その繰り返しで地域の田んぼが維持されてきたといえます。
以前、大冷害の時「普通の職業だったら来年から米づくりはもう止めた、というのに
良く来年もコメを作る気になるものだ」と言われた事があります。稲作農家のどこからそのエネルギーが湧いてくるのか自分でも不思議になる事があります。 多分それは、お米は、単なる商品ではなく命を育む「食べ物」だからと考えています。「食べ物」だからこそ、人様のご都合で作るのは止めたとはいかない。「国民の胃袋を預かっている」そんな誇りを胸にいだきながら田んぼに通い続けてきた親父さん達が身近に普通にいました。 
当然のこと、普通のこと思われる事を続けるのが難しい時代になりました。それが時代だと言ってしまえば、それまでですが時代を超えて伝えていくことがあります。こと、「食べ物」に関しては、その大切さ、生産の現場の情報をしっかりと伝えたいものです。「食べ物」が身近に溢れている現実。食べ物が、あるのが普通になっています。しかし、その事が当たり前になったのは、つい最近のこと。ここ30余年のごく最近のことにすぎません。 
「百姓の来年」この言葉が身近に聞くことが出来る生活環境が、いつまで続くか心配になる昨今の農業情勢です。それでも時代は動いています。農作業は待ってはくれません。大豆の収穫そして大麦の種蒔き。忙しい日々がまだまだ続きます。


NO,144(新米報告) 田んぼ通信 平成18・9・17

 今年も 無事 新米を収穫することが出来ました。 
日頃お世話になっている皆様に新米の御報告をすると共に、自然の恵みに対し感謝します。
昨夜 籾摺りしたての新米を炊き、早速 子供達と一緒に神棚にお供えしました。
日頃 神棚に手を合わすことの少ない我が家の子供達。 新米を収穫したこの時期だけは、声をかけ一緒に神棚にお供えし自然の神様に感謝させます。
我が家は、専業農家。 お米を作ることを生業とし、田んぼを拠り所として生活しています。 新しい栽培管理技術が開発され、農作業は機械化し近代化されました。また野菜や果樹等の施設園芸作物は人工栽培が可能となり季節を問わず収穫可能となりました。
しかし、東北地方の気候風土をたっぷり含んだお米は、一年に一度だけの収穫。
しかも、作物を育てる者の心、想いは昔からなんにも変わっていません。
形はどうあれ、無事に新米を収穫出来た事を、素直に喜びたいものです。
 さて、今年も様々な思いと共に収穫の秋を迎えました。 米づくりは、毎年 同じ時期に始まり、殆ど同じ作業の繰り返しです。 それでも、「米づくりは毎年一年生」と言われるように 毎年の気候で栽培管理が微妙に違ってきます。たとえ最新の栽培管理技術をもってしても、ほとんど役に立たない事がほとんどです。 それゆえに、経験に基づいて蓄積された基本技術が最も大切です。 米づくりは、自然に動きに素直になり、先輩方の経験に素直になる事で安定した栽培が可能になるのだと考えます。
 今年も春の種蒔き以来、様々なお天気のドラマがありました。 田植え以来の低温・記録的な日照不足。なかなか明けない梅雨空、8月に入ってからの梅雨明け宣言。 
8月2日午後3時発表の梅雨明け宣言。待ちかねたかのように広がる真夏の真っ青な空。 遅れていたイネの生育も 一気に挽回。そして、収穫の秋。 
そのような田んぼへの想い。そんな日々の暮らしの積み重ねを経て、今年もお米が収穫できました。 ただただ 感謝するだけです。
 今年の出来は、品質的には申し分ないお米に仕上がりました。 
自信を持ってお届けいたします。新米の香りを味わいながら、秋を楽しんでください。
ところで台風13号が日本本土へ向かってやってきました。 収穫を目前にした田んぼが広がっています。祈るような気持ちで台風の行方を見守っています。
毎年のこと、 田んぼに稲があるかぎり安心出来ません。 
「秋あげ半作」とならぬよう 収穫が終わるまで穏やかなお天気が続きますように。


NO,143  田んぼ通信 平成18・8・16

 お盆で、農作業は休みです。 昔ほど親戚の里帰りは少なくなり ゆったりした気分でお盆を過ごしています。 遅れていた東北地方の梅雨明けも、今月2日午後3時に梅雨明け宣言が出され暑い暑い夏がやってきました。 梅雨明け宣言が午後3時に突然発表。 
こんなことは、あまり聞いた事ありませんでしたが、それほど待ち焦がれた今年の梅雨明けでした。  
今年の梅雨は、西日本各地で記録的大雨による大被害が出ました。被災された方々には、心からお見舞い申し上げます。幸い当地方は大雨の被害はありませんでしたが、田植え以来の長雨と日照不足で農作物に被害がでました。特に転作田の大豆は、湿害が発生、生育は大きく停滞。折角うまく発芽した大豆が枯れてなくなる圃場も見かけられました。それでも、梅雨明け後の暑さの中、これまでの遅れを取り戻すべく必死の管理作業と好天候で一気に回復してきました。
それにしても、近代化された現代社会でも、殆どの農作業はお天気次第。 暦どおりに農作業計画を立てても、お天道様のご機嫌で計画通りにはいきません。 それが、農業の宿命と言えばそれまでです。その宿命から逃れられないとしても、農業で生計を立てる者、それを嘆いても何の解決にはなりません。 その現実を真正面から受け止め、どんな天候が来ようとも常に備える。   それが、百姓の仕事。
今年のような、極端な日照不足と長雨。こんな異常気象下でも、立派に育っている圃場もあります。圃場によって、作物の生育が大きく違います。また同じ圃場でも微妙に生育が違います。 はたけ の状態で生育に大きな違いが出ます。
 最大の備えは、作物を育てる土台の「はたけ」を整備する事。一口に「土作り」といわれていますが。 これがまた手間と時間がかかる仕事です。異常気象にも耐え得る作物を育てるには、土作りが大切。これは、農業の常識。ところが、これがなかなか出来ません。
近年、毎年が異常気象の連続。 常に前を見据え、最悪の状況を前提に、農作業を進めるよう心がけています(気持ちだけですが)。 しかし、口で言うのは簡単ですが実行するとなると、これがなかなか難しいです。  異常気象にも負けない圃場で育った作物は、健康でこれまた美味しい。これが常識です。 これからの百姓人生でどれくらい達成できるか。当たり前の事を やり遂げる事の難しさを痛感する日々。土を耕し続ける継続の力。その「気持ち」だけでもなくさないで農業を続けたいものだと思う今日この頃です。 
ところで、田んぼでは稲穂が出揃いました。 稲穂が 気持ちよく風に吹かれています。
夕方、まだ蒸し暑さが残る田んぼに行くと 稲の香りがプンプン漂ってきます。
 青臭さが混じったホンノリ甘い香り。 秋の稔りを 確信する香りです。無事に花が咲き終わり、日に日に稲穂が頭を垂れてきました。夜 虫の音も聞こえるようになりました。
お盆が過ぎれば、秋風が吹いてきます。空も高くなってきます。 例年よりも生育が遅れているとはいえ、来月中旬頃には稲刈り出来そうです。 これから、一ヶ月余り。台風が こない事を祈る日々が続きます。


NO,142  田んぼ通信 平成18・7・13

 毎年6月中旬から7月初めにかけ目の回るような忙しさが続きます。大麦の収穫、その同じ圃場に大豆の種蒔き作業と一気に続くからです。 季節は、梅雨。 お天道様の下での農作業、全てはお天気次第。 毎日、梅雨空を眺めラジオの天気予報を聞きながら 作業の段取りを考えての農作業が続きます。しかも、農作物の種蒔きは、適期というものがあります。 お陰様で今年も無事に麦の検査も合格し、大豆の種蒔き作業も予定通り終わりホット一息ついている今日この頃です。
収穫直前の麦の大敵は、雨。 一雨毎に品質が落ちてきます。 梅雨の晴れ間を見計らって一気に収穫しなければなりません。 今年は、梅雨入り早々、つゆ空が続き、例年以上に収穫作業の判断が難しい年となりました。
 収穫された麦は、JAに出荷し品質検査を受けます。国家資格を持った検査員によって一等、2等そして規格外の3種類に判定されます。 我が家の麦も先日JAに出荷し検査を受け無事に合格、しかも7割が一等に格付けされました。 今年収穫された麦は、殆どが2等、しかも規格外の麦も大量に発生しました。その中での一等の麦は貴重なものです。
 日本で消費される麦の殆どは輸入され、しかも安い価格で大量に入ってきます。その価格は日本の生産者価格の5分の一以下、日本の麦作経営では到底太刀打ちできません。そこで政府は、国産麦を保護する為に麦の価格に交付金をつけ生産者価格を維持しています。
国産麦の生産者価格、その殆どは交付金だといえます。
しかし、その交付金の額も年々下がり、交付金対象麦は2等以上。良質麦の生産奨励の為、等級間の価格格差も大きくなりました。しかも、規格外の麦には、交付金は出ません。 規格外の麦の価格は、キロ10円。大麦一俵(50キロ)で500円。例え豊作で10アール(一反)10俵収穫しても5,000円。10アールの肥料代だけでも、5,000円以上かかります。もちろん、肥料だけでは麦になりません。農機具、農薬、種子、燃料、労賃その他多くの経費がかかります。 あとの結果は、皆様の想像にお任せいたします。
毎年 6月になると繰り広げられる「麦秋」。その風景は、農業者でもウットリするほどの景色です。その生産現場の実情は、農家個々の生活をかけたギリギリの選択の中から生まれているのです。 現在 国内農業を守る為、農業の多面的機能が見直され、特に国土保全や環境保護の役割が強調されています。 そのこと自体は、農業者にとって大変うれしいことです。 それと同時に忘れてならない事があります。農業の最も大切な役割は、人間の命の糧、「食べ物」を安定的に生産供給すること。 このことが、農業者が最も誇りとすることであり、最大唯一の使命だと考えています。 決して環境保全のためや環境保護のために農業が存在しているのではないということです。 食べ物を生産する過程において、国土を保全し環境保護にも寄与する農法を模索することは、時代の要請であります。 しかし、それを前面に出し、自らの農産物の付加価値とすることに対しては、疑問を感じます。 日頃 農業に従事し、農産物価格の長期低迷と市中に溢れる「食べ物」の現実に接する度に、将来の「農のあるべき姿」を想い浮かべる日々が続いています。
ところで、田んぼの稲は、体内に穂が芽生え、心配された生育の遅れも持ち直し順調に生育しています。 今月末には 稲穂が顔を出すでしょう。 
これからが、今年の稲作を決定付ける大切な日々が続きます。


NO,141  田んぼ通信 平成18・6・15

 毎日 気温が低くどんより曇り空。 今年も6月9日に東北南部も梅雨に入りました。例年、梅雨入り宣言が発表されても晴れ間が続くものです。今年は、違います。6月に入り、気温が低く極端な日照不足が続いています。平年の25パーセントの日照時間だといいます。 この傾向は、5月から続いています。 
梅雨入り前の5月末から6月初め。季節は、麦秋。清々しい初夏の陽気と共に、西にそびえる蔵王の山々、真っ白な残雪を頂に残し、青い空、田んぼの緑、そして麦畑の鮮やかな黄色。一年で最も爽やかな季節。農作業をしていて、幸せを感じる麦秋。今年は、それを実感できた日は数日しかありませんでした。
そんな天気にも負けず、5月初めに植えられた稲は、順調に育っています。
茎の数を増やす「分けつ」の時期をむかえ、日増しに体が大きくなります。
先日、久しぶりに素足で田んぼ仕事をする機会がありました。
今では、めったに素足で田んぼに入りません。田植え作業は、殆ど機械作業です。手で植える所も田んぼの四隅。田植え機械の性能が向上し、それもホンノ僅かです。長靴を履いての作業は、効率が悪く疲れますので水田専用の足袋などを履きます。最近は、その水田足袋を履く機会もなくなりました。水田専用の長靴を履いての作業が殆どです。たまたま、水田長靴を忘れ家に取りに行くのも面倒で、そのまま裸足で田んぼに入り作業をしたわけです。早朝で気温も低く田んぼの水も冷たかったのですが、忘れていた素足に感じる土の感触。気持良いホンノリした田んぼの土の温もり。 この田んぼの土の温もりこそが、稲を守り育てているのだと感じた瞬間です。田んぼに水を湛えることで、お日様のエネルギーを土に蓄え、寒冷地の東北でも稲作が可能になったといえます。先人達の凄い知恵を、あらためて学んだひと時でした。天候不順が心配される今年の稲作ですが、広い田んぼが相手です。人間の力では、どうにも出来ません。唯一、寒さから稲を守るのは、「水」だけです。これから、7月にかけて稲作りで最も大切な時期をむかえます。天候不順に打ち勝つ「起死回生の妙薬」はないでしょう。日々の、こまめな「水」管理こそが天候不順に負けない稲作りの基本です。 秋になり、美味しい新米を心待ちにしている皆様方の喜ぶ笑顔を思い浮かべ、ひたすら田んぼに通います。
 ところで、一昨日から麦刈り作業を始めました。 我が家では、大麦を栽培しています。今年の麦は、最近になく出来がいいです。しかし、麦の大敵は「雨」です。
本来、雨の少ない乾燥した土地で育つ麦です。収穫時期が梅雨と重なる日本ではなかなか栽培が難しいといえます。しかし、我が家にとって転作作物として大切な作物です。戦後 外国産の安い麦が大量に輸入されるようになってから、国内の麦作がなくなりかけた時期もありました。30年前にコメに変わる転作作物として麦作が注目。「麦秋」という言葉も死語にならずに復活しました。 その大麦の収穫がはじまりました。今年は、梅雨入り早々 本格的な梅雨空。 一雨毎に、品質が大きく落ちます。油断できません。天気を気にしての農作業が続きます。


NO,140  田んぼ通信 平成18・5・15

 春になり新しい命が芽生え、微妙に変化する木々の緑。
紅葉の時期とは、一味も二味も違う 躍動感溢れる山々の姿。
山々の緑に吸い込まれるような美しさ。
「山笑う季節」とはよく言ったものです。 私の最も好きな季節です。
お陰様で、今年の田植えも11日に無事終わりました。
最終日の11日は、少し風がふいたものの 風はなく暖かな日が続き 毎日が田植え日和でした。今年の田植え程、気持ち良く田植え作業を終えたのは久しぶりです。
今年は、桜の開花予想が例年並の4月10日と発表されたものの、4月に入り例年よりも寒い日が続いたため開花が大幅に遅れ20日頃に満開。その後も、気温の低い日が続き4月末まで桜の花が楽しめました。 こんな事は、最近では記憶にありません。
田んぼに水が入ったのが4月28日。早速 代掻き開始。
例年になく季節が遅れた分 、田植え時期と山々の木々が芽生える時期が重なり、日々変化する新緑を眺めながらの田植え作業。天気が良いと気分も最高。田植え作業もはかどります。昨年よりも田植え面積が増えましたが一日早く田植えが終わりました。
自然の中で、働ける喜びを体全体で満喫しながらの田植え作業でした。
例年 4月末から5月にかけて大型連休があります。稲作農家にとっては、田植え作業の真っ最中。穏やかな五月晴れの下、ゴールデンウイークを利用して家族や親戚の手伝いを貰い田植えする光景を方々で見かけました。
現在、田植え作業は機械化されました。しかし、田植え時期は、昔と同じで多くの人手が必要です。田んぼに稲を植えつけるまでには、多くの作業の作業があるからです。
田んぼに水を引き、代掻きをし、育苗ハウスから 田んぼに苗を運び、田植え機に苗をセットして植える。 苗を育てた育苗箱(30センチ×60センチ×3センチ)を洗い、片付ける。昔の田植作業とは違い、多くの農作業が機械化されキツイ重労働から開放されました。しかし、田植え機械を効率的に使う為には、 多くの人手が必要なのです。
確かに、最新の田植え機械の性能は、目を見張るものがあります。
6条田植え機ですと、10アール10数分程で植えます。その植え付けスピードは、大人が速足で歩く程です。我が家では、18ヘクタール程の田植え作業をしましたが、10日もかからず終わりました。 先月28日に田んぼに水が入ってから田植えが終わるまで、毎日が早朝からナイターでの代掻き作業、目の回るような毎日でした。 代掻き作業を進めなければ田植えは出来ません。田植え作業は、苗の運搬はじめ多くの段取りが必要です。 我が家では、連休中には親戚はじめ多くの 人達が応援に来てくれます。大変ありがたいことです。 多くの応援を得て、 無事に田植えが終わったことを素直に感謝しています。
田んぼに、稲を植えないかぎり おコメは出来ません。当たり前のことですが、昨今の農業情勢をみると、この当たり前の行為が いつまで続ける事が出来るか心配になります。
日本の稲作を取り巻く情勢は、厳しいものがありますが、そんな人間様の都合とは関係なく、田んぼに植えられた苗は、無事に真っ白な新しい根を大地にはりだしました。


NO,139  田んぼ通信 平成18・4・15

 今年の春は、寒いです。 暑さ寒さも彼岸まで。例年 春の彼岸を過ぎるとポカポカ陽気の春を感じる日々が多くなります。 
それが、今年は違います。 彼岸を過ぎても冬の空気が居座っています。
空の色や雲は、4月半ばだというのに冬を感じます。 今年の冬は、寒かったものの3月に入り暖かな日が続いた事から、仙台での桜の開花予想日は平年並みの4月10日と発表されていました。 しかし、実際に開花宣言が発表されたのが 4月13日です。角田市は、仙台よりも南に位置しています。それでも、早咲きの桜が咲いたものの、陽だまりの桜は咲き始めたばかり。殆どのソメイヨシノはこれから開花を迎えます。
 気温の低いのは、水温にも現れています。 今年も種蒔き作業が始まりました。種蒔き作業をするまでには、様々な準備作業をしなければなりません。 塩水選といって塩水の比重を利用して悪い籾を選別する作業。また、種籾が芽を出すには、水分を十分吸水させる事が必要です。そのために種籾を水槽につけ、吸水させる浸種作業。種籾は、水温が高いと早く吸水する性質はあります。今年は気温が低いせいか水温も上がらずいつもより吸水に時間がかかりました。 種籾が十分吸水し発芽準備が出来ると、水漬した水が匂ってきます。種籾の新しい芽が動き出すと盛んに呼吸してきます。種籾の呼吸している匂いです。
ことしは、例年よりも種籾の匂いが弱いようです。
また、発芽を早くそろえる為に、人工的に温度を加えある程度 発芽させる催芽(さいが)作業。たくさんの細かい作業を経て初めて種蒔き作業に入るのです。
今日では、人工的に温度をコントロールできる 様々な機械を利用して計画的に作業を進めることが出来るようになりました。それでも、種籾は生き物。前年の天候で微妙に生育が違います。 
例年、3月に入ると育苗作業が始まり、毎年殆ど同じ作業を繰り返します。 
それでも、米づくりは「毎年一年生」。
その年の 種籾の状態を気にし、春の天候を体で感じながら稲作りは始まります。種蒔きを終えた苗は、育苗機にセットし29度の温度で二昼夜かけ発芽をそろえます。発芽させ苗は、育苗ハウスに並べ本葉が2枚から3枚になるまで育てます。 新しい本葉が活きよいよく伸びてきたら一安心。 苗作りは 稲作りで一番緊張する時期です。4月3日に蒔いた苗は、ハウスの中で順調に育ちはじめました。
ところで、元気に育っている育苗ハウスでは、夕方 葉先に大粒の水滴が付きます。朝日に輝く様は、無数の宝石を散りばめた感じ。 命を感じる瞬間です。苗の体の中には、つねに根から葉先に向かって水が流れています。人間の血液と同じ役割をはたし、この流れと共に生育に必要な養分を供給しているのです。
苗の葉先の水滴は、健康のバロメーター。
朝起きると直ぐにハウスに向かい、「おはよう」と声をかけ、毎朝 無数の水滴を確認し田植えまで 大事に育てます。
育苗の様子は、ホームページに毎日 報告していますので覗いて下さい。


NO,138  田んぼ通信 平成18・3・15

  昨日 朝起きると 薄っすらと雪化粧。
数日前には春一番も吹き、春がやってきたと喜んだのも束の間、冬に逆戻りです。
今の時期、春と冬が同居しています。
数日前、麦畑で麦踏み作業中、青く小さな花がビッシリ咲いている光景を見かけました。畦全体が、薄っすらとコバルトブルーに包まれた感じにも見えます。  
いま、オオイヌノフグリが花盛りです。私にとっては、春を告げる最も身近な植物です。
このオオイヌノフグリ、調べたところ「ヨーロッパ原産で明治初期に日本に渡来し最も普通の雑草」とあります。 
まだ、吹く風は冷たい早春。道端や畦の陽だまり等に 一斉に咲き始めます。
今年は、例年になく寒い冬でしたが、暦はいつしか3月半ば。本格的な農作業の時期になりました。暦を眺め、今年の天気に思いをめぐらせ 農作業をはじめます。
コメづくりの基本は、昔から変わりません。特に東北地方の米づくりの基本は、土作りと寒さに負けない丈夫な苗を育てる事です。 最近、気掛かりなことがあります。この、
コメづくりの基本が すっかり忘れられています。農業関係者の間でも、話題にする人が殆どありません。口にするのは、環境保全や安全な食べ物生産。
今の日本、おコメ等の食料品は、身近に溢れています。その中で、全国の農業生産者間で生き残りをかけた、熾烈な産地間競争が繰り広げられています。その競争が、いまや国境を越え海外との競争になっています。 
その生き残り策として「安全と環境」がキーワードとして叫ばれています。
しかし、食料は命を支える基本です。 安全な食べ物生産は、基本中の基本です。産地間競争を 勝ち抜くための手段として あえて口にせざるを得ないこと自体、日本の「食」に関する歪んだ消費構造を垣間見る感じです。また、環境問題は、農業のみならず地球的規模で産業界の大きな課題となっています。農業もその例外ではないということだけです。 「環境に配慮した 安全な食べ物生産」は農業生産者として必須条件でしょう。
それにもまして食糧生産者として最も大切なことは、「食糧の安定供給」だと考えています。
巷に食べ物が満ち溢れて現状では、ナニ言ってんだ!!と言われそうです。
いま、食べ物の安定供給に欠かせない「安定した生産構造」が大きく崩れようとしています。 ここ数年 米づくり(農業生産)を放棄する人が目立ってきました。 米づくりを本気で担おうとする生産者が激減しています。
来年度から、日本の農政が大きく方向転換すると報じられています。中身を見ると従来の農業保護政策から脱しきれない「食糧の安定生産供給」に主眼を置いた農政に転換し切れない中途半端な農政が続くようです。 
田んぼに立ち、この国の異常な現実にあきれるばかりです。
ところで、時折、小雪がちらつく寒い日。ことしも種籾の塩水選作業が始まりました。
丈夫な苗を育てる基本は、充実した種モミを選ぶ作業から始まります。
今年も本格的な農作業のスタートです。 米づくりは、毎年 同じ作業の繰り返しです。基本技術の積み重ねの結果として 秋の豊作が約束されるのだ信じます。今年も、おコメを待っている皆様に 美味しいおコメを安定してお届けする為に田んぼに通います。


NO,137  田んぼ通信 平成18・2・15

 今年は、日本海側各地で記録的な大雪が降っています。大きな被害も出ています。被害に遭われた皆様には心からお見舞い申し上げます。
私の住んでいる東北南部太平洋側は、殆ど雪は降りません。今年も1月いっぱい、田んぼに雪がありませんでした。例年 旧暦の正月頃(1月末から2月初め)になって雪が降ります。
冬は、冬らしく雪景色。雪が降るとあたりの景色が一変します。真っ白な銀世界。心もなんとなく落ちつきます。雪景色は不思議な世界を創り出します。
今年も、2月に入って早々雪が降りだしました。20センチ位の積雪だったでしょうか。
それでも除雪がたいへんです。こんなことをいったら、日本海側の皆さんには、笑われてしまいそうです。当地方は、雪こそあまり降りませんが、寒さは厳しいものがあります。
今年の寒さは、格別でした。最低気温がマイナス14度に下がった朝が数日続きました。数日前までは、毎日が冷凍庫の中で生活しているような日々でした。数日前から春一番が吹き出し、田んぼの雪が一気に融け出し雪がなくなりましたが、久しぶりに寒い冬でした。
やっかいものの雪ですが降らないと、夏場、稲作に使う水不足の心配も出てきます。 
冬は、程々に雪が欲しいものです。
ところで「何事も程々に」が良いのですが自然相手ではどうにも出来ません。
しかし、この「何事も程々に」と言う事。自然界では、一年とか数年というサイクルでみると案外 「程々」に丸くおさまるように出来ている、と感じたりもします。
「この程々」が自然界で一番コントロール出来ず、自然のサイクルを壊しているのが
「人間」ではないか。 昨今の世情をみていると そんなことを痛感する毎日です。
 さて、今年も隣村 佐倉地区内にある諏訪神社の筒粥目録が我が家にもやってきました。今月のNHKラジオ深夜便でも紹介しましたが、毎年の天気・作物毎の作柄予想を筒粥
目録として頒布されます。この目録、並を7分とし、上作を8分、下作を6分として予想します。結構詳しく予想します。5穀(米・豆・麦・ヒエ・アワ)等の作況の他、稲の早生・中生・晩生の作柄予想をします。稲は、早い品種の早生種、遅い品種の晩生種、中間の中生種の3種類に分類されます。「ひとめぼれ」は、当地方では早生種と位置づけています。目録で最も注目する所は、この早生・中生・晩生の作柄予想です。今年は、早生が8分作、中生6分、晩生7分作。この予想を見て、今年度の作付け目安にし作付け計画と栽培戦略を立てます。百姓はじめて30年あまり。これが結構毎年 当たるから不思議です。今でも地元の農業関係者に多くのファンがいます。いまだかって、日本気象協会発表の長期予報を参考に作付け計画を立てたことはありません。  
近代科学を否定する気持ちはありません。難しい事も分かりません。しかし、西欧・近代科学に基づいた戦後教育の集大成ともいえる今日の日本社会の現状を顧みる時、学校教育って何だったっけ。学校教育って何を教えてきたの。と考えてしまうのです。 
この「筒粥目録」600年以上の歴史があります。400年前には、仙台藩主 伊達政宗も筒粥神事を崇拝し、県北はもちろんの事、遠く岩手県南部までの仙台藩の領地一帯に頒布させたといいます。 この歴史の重み。つい最近、たかだか50年余りの歴史しかない、スーパーコンピューターの世界なんてものはチッポケにみえてきます。  百姓は神頼み。
もう直ぐ、本格的な農作業が始まります。
あらためて「筒粥目録」を眺め、豊作に向けて決意を新たにしています。


NO,136  田んぼ通信 平成18・1・15

東北と言うと 雪。今年は、ニュースでも度々 報道されていますが 日本海側の大雪被害 心からお見舞い申しあげます。 私の住んでいる東北南部太平洋側(角田市)は、田んぼに雪が 殆どありません。 同じ東北地方でも気候が全く違います。 昨日は、小正月。夜 集落のお寺の境内に各家庭の正月飾りを持ち寄り御祈祷の後、火を入れて正月を送るドント祭が行なわれました。今年は、昨年末以来、大寒波が襲来。真冬並の寒さが続いていましたが 昨日は、なんと雨が降りました。
小正月の雨。 最近では記憶にありません。本当にお天気様は、気まぐれです。
今年もまた、気まぐれなお天道様を相手の米づくりがはじまりました。
11日は、恒例の 農のはじめ。早朝 オガンマツを田んぼに持って行き いつものように儀式をして、今年の豊作を祈りました。 
今年も、よろしくお付き合いをお願いします。
新年の御挨拶 遅れましたが 今年の年賀状です。(時候は、寒中お見舞いですが)
明けましておめでとうございます。
新年早々 タイ国イサーン地方に行って来ました。
今回は、昨年4月角田女子高が男女共学・宮城県高等学校統廃合により97年の歴史に幕を閉じたのを契機に計画されたものです。8年前に旧角田女子高生徒会等が中心となって、イサーン地方の農村自立協力の一環として贈った、「足踏みミシン」の活用状況を検証することにより今後の女子教育支援事業の可能性を探るため行ってきました。  旧角田女子高と隣町の伊具高校で40年以上前から裁縫の授業等で使用した「足踏みミシン」を償却処分する際、タイ・イサーン農村婦人の自立のために役立てて欲しいということで、両校の生徒会が中心となり50台のミシンを贈ったものです。このプロジェクトのお手伝いをしたことで今回一緒に同行することになりました。
東南アジアと聞くと、その言葉自体に日本人は優越感を感じるようです 
「東南アジア諸国よりも日本は全ての面で先進国だ。遅れている東南アジア諸国に支援してあげる。それが 日本の役割・・・・」   
今回参加した角女卒業生の皆さんも、少なからずそう思っていたと言います。今もって、多くの日本人の潜在意識として残っているのも現実でしょう。 
15年前には、タイの国でも最も貧しいと言われた、イサーン地方。その村々にもパソコンが導入され、時代の流れに遅れまいと必死に生きようとする姿を目の当たりにし  「支援する国・日本から支援される国・日本へ」
そんな近未来の日本の姿を予感したのは私一人ではなかったでしょう
      支援から真の協力・連帯の時代へ!! いまこそ行動が求められている時代なのだと実感した旅でした。
ところで昨年4月よりNHKラジオ深夜便(NHKラジオ第一放送夜11時20分から毎月第二木曜日が私の担当日・今月は12日放送)で 日本列島くらしのたより という番組のリポーター役をしています。  また、ホームページ(http://www.omokawa.com)で毎日角田発の情報発信しています。機会があれば覘いてください。 新年の御挨拶送れて申し訳ございませんでした。今年も宜しくお願いいたします。          平成18年元旦