NO,316  田んぼ通信 令和3・1・17

 寒中お見舞い申し上げます。 今年もよろしくお願いします。
年明け早々、新型コロナウイルスの猛威が収まるどころか、爆発的感染拡大の危機と言われる昨今の状況です。世の中これからどうなるのか。不安の中で新しい年がスタートしました。 我が社の仕事始めは、農の初め1月11日。ここ数年、暖かな正月を過ごしてきましたが、今年は違います。 日の出前、気温マイナス7度、雪を踏みしめながらいつものように種籾に飾ったオガン松様をたずさえ、田んぼに向いました。曽祖父時代から使っていた田おこし鍬で田起こし、オガン松様を祭り今年の豊作と平穏無事を祈願しました。世の中は、コロナ禍の影響で自粛ムード。元日恒例、部落の新年会は中止。二日、村の消防団出初め式も延期。親戚の正月挨拶も自粛。異例の静かなお正月を過ごしました。それでも、我が家で続けてきた年末の正月様を迎えるための準備や正月行事は、欠かさずいつものようにやりました。 年末の12月28日は、正月を迎えるための餅つきの日です。年に一回、臼と杵で餅を搗きます。今年は、知人・親戚の分も含めて12臼餅を搗きました。部落内でも臼で餅を搗く家は、本当に少なくなりました。我が家は、会社になりましたが稲作農家としての証として12月28日の餅つきはこれからも重要な行事として続けていきます。餅つきが終われば、会社としての仕事納めですが、正月を迎えるにあたり注連飾りの準備がまっています。祖父が元気なときは立派な玄関飾りを作っていましたが、体が思うように動かなくなった数年前より正月準備は私の役目。日頃 昔の伝統を絶やさず続けていきたいなどと口では言いうもののこれには正直困りました。しめ縄づくりは、藁で縄(なわ)をなうことが出来なければ話になりません。以前は、縄は、農作業の必需品でした。最近は、殆んどの農作業は機械化され、またヒモなども化学繊維で作られた市販のものを利用するため縄をみる機会も稀になりました。 満足に縄をなうことができないのです。縄をなうことができないで注連縄など作れるわけがありません。幸い家内が親父さんが注連飾りを作っている時に指導を受けていたので、私よりも上手に縄をなうことができます。それでも、年に一回の注連縄づくりです。いざとなると半信半疑。正月飾りを専門に作っている知人に二人で習いに行き、最初の年は家内に頑張ってもらい何とか正月を迎えることができました。来年こそはと思っているうちに数年が過ぎました。 しめ縄は藁で作ります。その藁もコンバインで収穫するようになってから細かく刻んで田んぼで処理する時代です。しめ縄の準備は、稲刈りの時から稲わらの準備しておく必要があります。当たり前とおもっていたことが難しい時代になりました。いざわら細工に使える藁を探すとなると苦労します。今年こそは、早めに正月様を迎えようと準備に掛かりましたがしめ縄を飾り終えて家族そろって神棚を拝んでお酒を飲み食事が終わった時は、紅白歌合戦がはじまっていました。来年こそは余裕をもって早めの準備したいものだと思うのですが。 1月7日は七草粥を食べ、14日は、どんと祭。正月が終わり、小正月が始まります。部屋には小正月の行事、団子差しが飾ってあります。団子差し飾りは20日の風に当てるなと言われています。20日の前には飾りを下ろし、本格的な春を待ちます。 ところで、先月の通信の最後に「アメリカは、バナナ共和国」と書いたところ、新年早々、東京で暮らしている娘からお父さんアメリカではなく日本の間違いではないのと電話がありました。一人娘は、昨年の正月帰ってきてから コロナ禍の影響で帰ってきません。正月こそは実家で過ごしたいと家内と相談していたようですが、泣く泣く帰郷を断念。正月は、東京で過ごしました。 私の答えは、「なに言ってるんだ、もう少し勉強しろ! アメリカこそがバナナ共和国だ。」そんなやり取りがあって間もなく、トランプ大統領の連邦議会襲撃事件の衝撃の映像。トランプ氏を責める事は簡単です。しかし、トランプ氏をアメリカ大統領として支持したのはアメリカ国民。その国民の半分がトランプ氏を支持したのもの現実のアメリカです。そんなアメリカを心の片隅で羨望のまなざしで暮らし続けてきた自分もいることも確かです。日頃、「八百万の神々に手を合わすことを百姓仕事の基本」と話している自分です。いろんな考え立場の人が寄り集まって世の中が出来ているということがなんとなくわかるような年になりました。常に素直な気持ちで現実を直視し、答えは現場から自分で出すしかありません。面白い時代になりました。あらたな気持ちでスタートです。