NO,378  田んぼ通信 令和8・2・15

 昨年末から今年に入ってからも、天気が続いています。 雨が全く降りません。
東北地方の日本海側は大雪の被害が話題になっていますが、東北南部太平洋側は全く雪が降りません。先日、関東地方にも積雪があったようですが、ここ角田では降りませんでした。田んぼや畑はカラカラに乾いています。しかも、最高気温が17度。春を思わせる陽気がつづいています。極端な天気が続いています。経験のないほどの暖かさで夏の天気が心配になります。
今年の夏も暑くなるのか。このまま、雨が降らない日が続くのか。 これまでの経験からすれば、たとえば年間総雨量は一年を通してみれば殆ど変わらないという思いがあります。カラカラ天気が続けば、必ず天気が崩れ田んぼに入れなくなる。春の農作業が困難になり苦労することになる。 人の力ではどうにもならないお天気様相手の仕事。それが、百姓しごと。やるべき仕事は、やれるときに早め早めに仕事をすすめる。これが農作業の鉄則。  そんな思いで過ごしてきた我が百姓人生。 農業経営の第一線から退いたいま、もどかしさを感じつつ我が家の経営を眺める日々です。
それにしても、昨今のお天気様。 あまりにも異常です。これまでの経験を基にした農業経営を継続するだけでは生き残ることが困難な時代になった事を痛感します。 経営の根幹である作物の選定。それに伴う品種や栽培技術の習得などやるべきことが沢山あります。
今年も今月はじめに、諏訪神社の「筒がゆ目録」を頂いてきました。「筒がゆ目録」による作占いは、当たった、ハズレタのという問題ではなく、自然相手の百姓仕事しごと。自然界の八百万の神々に常に謙虚に感謝し手を合わす。その心こそが命ある農作物を育みその糧を得て暮らしてきた人間として当たり前。  お天道様など自然界の神々に素直に感謝する気持ちをもつことは、決して新興宗教のようにお金がかかることではなく、自分の心ひとつでいつでも、どこでも出来ること。 一百姓が世間に対しモノ申すという思い上がりはありません。今年の作占い。稲作は早稲の品種が良く中生が普通、晩稲が悪いという結果です。お日様と雨は並。風が多いと出ています。それを、どのように理解するかは個々の問題です。   私にとって、農作物の作柄を予想するうえでスーパーコンピューターが導き出す日本気象協会が発表する長期予報よりもはるかに心の支えになっているだけです。
ところで、昨年から今年にかけて一年あまりで三回の国政選挙が行われました。 それぞれの結果の受け止め方は、個々人により様々でしょう。 常に思うことは、投票したのは法律で定められた選挙権を有する日本人。それぞれの暮らしの中での思い・考えで投票したという現実を先ずもって素直に認めること。 すべては、そこからはじまる。  結果の賛否はどうであれ評論家的立場で生きるのではなく、其の結果を通して、自らの立場で暮らし続けるためにどんな行動をとるか。 そのことによって自分の生き様を、自分で納得して決める。少なくとも他人の評価はどうであれ、自分の行動したことは、自分で責任を持つ。そんな心意気だけは常に持って暮らしたい。 何が正しいか分からない時代です。正解は、自分で導き出すしかない。


NO,377  田んぼ通信 令和8・1・14

 コメ作りをはじめて52年が過ぎました。14日は、どんと祭。小正月を迎え一年で最も寒い時期を迎えました。地球温暖化が叫ばれてから久しくなります。年々暖かな正月を過ごしてきましたが、こんなに暖かな正月は経験ありません
 どんなに暖かな正月でも北向きの日陰にある水道は、凍るため使えませんでした。小正月を迎えた今朝、水道の蛇口あけると水が出ます。 これには驚きです。
 さて農業経営は、全て息子達に任せましたが永年続けてきた神事は私の仕事。 もともと正月準備は、6年前に亡くなった親父さんの役目でした。親父さんが元気なころは12月中旬になると準備をはじめていました。手まめで器用な親父さんは、手間のかかる玄関飾りなども親戚の分まで作っていたものです。 現在は、私と妻が正月飾りを準備していますが、しめ縄の基本である稲わらで、縄を綯う(なわをナウと読みます。何本かのワラにヨリをかけて一本のヒモにすること)この縄を綯うことができなければ正月準備はできません。  縄は、50年まえまで農作業をするうえで最も大切な道具のひとつでした。縄を綯う材料となる稲ワラは、最も身近にあるものです。 当たり前にある稲わらですが、縄を綯うにために適した稲があります。稲の茎が長く、わら細工に適した柔らかな稲が必要です。   現在は、しめ縄を作るためのワラを求めるのが極めて困難な時代になりました。ひと昔前、稲刈り作業は多くの手間と労力がかかりました。現在は、大型コンバインなどで短時間に終わる時代です。  収穫作業と同時に稲わらを細かく裁断するためワラ細工に適した稲わらは、正月を見据えてひと手間を加えて準備しなければ手に入らない時代です。我が家で正月飾りに必要な稲わらは、両手で抱える位の少しの量ですみますが、正月のしめ縄づくりを意識していないと忘れてしまいます。  これまで、身近にあって当たり前であったことが、当たり前ではなくなりました。 ところで一本の縄さえも綯うことができない人が殆どの時代になりました。しかも、縄の綯い方を教えてくれる先輩方も極端にいなくなりました。  正直、私自身も親父さんが亡くなってから本格的に始めましたが未だに一本の縄さえ満足になえません。正直なところ妻の方が上手です。仕事がきれいで器用な妻は、親父さんの元気なころから正月飾りの手ほどきを受けていました。 今年も、玄関飾りは、生け花の心得のある妻おかげで現代風の立派な正月飾りをかざることができました。神棚などのしめ飾りは私が準備します。従来よりも簡略になりましたが、無事に正月を迎えることができました。
ところで、一昨年からコメの高騰が続いています。この先、一時的に米の価格は下がると思いますがその落としどころは、農林大臣が言う通り需要と供給に応じたところで決まります。  これまでのコメ農政で、中途半端な人為的な操作(無責任な政治の介入)が生産現場を混乱させてきた現実。基本的には、経済行為の中でコメの値段がきまることであり、最終的には消費者がおなかの問題として考えるべきことです。  コメ政策をすすめるうえで、産業としてのコメ作りを農政の柱に据え、誇りを持った経営者を育て、その経営理念として地域社会福祉貢献を取り入れた経営の実践を求める。その様な農政を夢見ている。