□ ひとの生き様こそが地域づくりの原点です 平成14・3

宮城地域作り実践塾の運営委員として
H13年度の卒塾生の報告書
卒塾生に贈る言葉  (H14・3)

 「ひとの生き様こそが地域づくりの原点です。」
 仕事をしながら自らの為にひたすら学ぶ姿勢に頭が下がります。
 「人はいくところ迄いかないと駄目だ、治らないものだ」とはよくいわれます。
しかし、結果として其の先にあるものはというと破滅の道だそうです。だからこそ破滅の前に、気づいた時に気づいた人が行動を起こす。其の積み重ねでしか社会は変わらない、すべては一人一人の生き方に対する理念と行動力が大切なのだと思います。現代社会は、情報が満ち溢れ一見誰もが主人公になれそうですが、単に評論家にすぎないのではと言たくなる人が益々多くなったように思えてなりません。全ては、自分にとってどうなのか、どのように関りを持ち行動するのか。 常に、自分自身に問いかけて欲しいものです。
 私は、地域づくりをすすめる上で最も大切な事はそこに住んでいる人の生き様そのものに目を向けることだと思っています。地域づくりを語るとき地域の歴史や文化を検証する事は大切な事だとよく耳にします。しかしながら、それぞれの地域にしがみつき逃げ出さず懸命に生きている其の生き様こそが尊いものだと思います。生き抜くための人間の知恵として、また生き様の表現として文化と呼ばれるものが生まれるものだと思えてなりません。だからこそ気候風土の違いにより多様な生き様が生まれ、その数だけ多様な文化と呼ばれるものが存在するものと考えます。
 地域にしがみつき生き続けるための知恵をいかにして手にいれるか。グローバル時代といわれる今。地域社会をより活性化するにはクローズするのではなく、異質なものを受け入れる為にどれだけオープンな社会にできるか。いま、其の力量が試されているのだと思います。