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農業版官製談合?

午前中 角田市役所で平成22年度農作業賃金標準額設定協議会という名称の会議に出席。 年に一回 農業委員会から諮問され 農作業の賃金を決める会議だ。
 農作業を委託する農家・ 作業受託する農家・それに 農業関係機関それぞれ三者
の代表18名で構成 された会議だ。
 受託農家代表と会議に出るようになって 10年以上になるだろうか。
作業を委託する農家は、作業賃金は安ければいい。作業を受託する農家は作業料金は
高いほどいい。 その調整する会議だ。
 会議出席当初より 受託農家の意に反する 作業賃金の引き下げを主張する。
当時は(今も?)、お前なに言ってるんだという 雰囲気があった。
専業農家にとって、農作業受託収入は作柄に関係なく計算できる最も安定した 収入源だ。それを長期安定した収入源として維持するには 委託農家(お客さま)があっての仕事だ。 10年前より 米価が下がることはある程度は予想されていたことだ。
 将来に向け 準備し対応するのが 経営者としての責任だ。
農作業受託作業を安定的に確保するには、委託農家が耕作を放棄(耕作をやめ全面経営委託にだす)する前に 出来るだけ田んぼで耕作し続ける環境をつくのが最も効率的な経営が可能だと考えたからだ。 
しかし残念ながら、農業特に 米作りの生産現場では 関係機関は、農業者を経営者として扱わない政策があまりにも長く続き過ぎた。 農業者も その構図に甘え経営者
としての意識を放棄してきたといえる。 受託農家をお客さんと考えることなど とんでもないことだ。
10年前に、そんな主張が通るわけもないと思いつつ、会議のたびに主張し続けてきた。
その間、予想したように 米価は大幅下落、当然 農作業委託農家は田んぼを耕作続けても大幅赤字。 耕作をやめて全面経営委託へ。 受託農家は、年々受託作業面積は激減。耕作面積は毎年増え続け規模は大きくなったものの、米価下落や転作面積の拡大で思ったように収入は伸びない。 

 米を取り巻く環境が劇的に様変わりした今、当局原案は、15年前と同じ据え置きの執行部原案。
これには、少々 カチンとくる。
これまで以上に 作業料金の引き下げを主張する。 
考えてみれば、委託者と受託者の力関係が逆転したといえる。
互いの利益が拮抗した時点で、将来を見据えた対策を考えるべきだった。
今では、受委託そうほう側が 苦しい状況になった。 このままでは、耕作放置の田んぼが激増する。
 今日の会議では、 作業料金は下げるべきだ、それだけでは、担い手農家の経営が益々苦しくなる。その代わり今まで以上に担い手農家(受託農家)に対し 行政(市)
が協力に援助するあらたな政策を 市政に求めてほしい。と主張する。
 委託農家代表からも賛同の意見が出て、ほぼそのような雰囲気になったが、国の政策そのものが 激動している今一年かけてその動向を見極め、来年は引き下げの方向で考えることで ひとまず会議は終了。

 会議が終わってみれば、この会議 世間を騒がせている 農業版 官製談合というべき会議かも。 特に米に関する 市町村段階の農業関係機関の集まりは、この手の会合が ほとんどだ。 
 現実は、会議ばっかり多く、将来を見据えた本気での話し合いが 皆無に等しい。
時間と農林予算だけを費やし、農業の現状は 悪くなるばっかりだ。

 たしかに、競争原理だけでは農村社会や、条件の悪い田んぼは 維持できないこと明らか。 しからば、これまでの農政運営システムでは 若い農業者(担い手)が育たないのも明らか。

それを如何に調和させた政策を将来を創造するかが農政の課題だろう。
 その答えは、 農業者を経営者として扱い 自立した経営者(農業者)をそだてることだと確信する。 それが出来れば、地域(農村社会)社会問題は 農業経営者がその地域にあった適切な政策を創り出すだろう。
それだけの 潜在的な能力をそれぞれの地域に残っている 数少なくなった担い手農家には備わっていると信じているからだ。
 もしかすると、日本農業を衰退させた大きな原因は、本来、農業を発展させるために
創設したはずの、多くの農業関係機関だった?等ということにならなければいいのだが。

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2010年02月19日 23:18に投稿されたエントリーのページです。

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