朝5時半集合。
集落の共同作業の日だ。
年に二回ある共同作業だ。
春は、主に用水路の土砂払いだ。 江払い作業といっている。
田んぼの基盤整備が進み 用水路のほとんどはコンクリートになった。
土水路の時代と比べれば、作業が格段に楽になった。
それでも最近は、田んぼを所有していても 耕作を依頼する農家が多くなった。
田んぼを耕作すればこそ 田んぼに水が必要だ。
集落内の田んぼの水は、数キロ程離れた阿武隈川から取水している。
土地改良区が管理している、用水機場でくみ上げられた用水はパイプラインを経て
集落にやってくる。 田んぼの囲いの要所にバルブがありそれから田んぼに通じる
用水路をへて初めて各々の田んぼに水が入るのだ。
田んぼで稲を育てるには水が 必要だ。 これは当たり前のこと。
その水は、個人の力ではどうにもならない。 昨今の事業仕分けで 大ナタを振られた
土地改良区がその水を管理しているのだ。 日本の米作りを支えている農業関係機関は、JA等もあるが 最も大切な組織は土地改良区だと考えている。
阿武隈川から取水するにも、土地基盤整備をするにも多額の予算が必要だ。
その予算獲得に、時の政治と密接になる宿命的なものがあったといえる。
その過程が、あまりにも閉鎖的であったため 内部に多くの矛盾を抱えているにも関わらず、それらの問題を先送りする体質を温存してきたといえる。
その一つの結論として、今回の事業仕分けによる前年度予算額に対し6割減という前代未聞の結末となったと考えている。
一昨年から 角田土地改良区役員となり 春の江払い時期になると田んぼの在り方を考える時期でもある。
各々の田んぼに水を入れるには、地域の人達の協同の力が必要だ。
今年も、田んぼを委託した農家の人達もスコップを片手に江払い作業に参加してくれた。 ありがたいことだ。 田んぼは、地域に住んでいるみんなのものだ。