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経営能力が問われる時代

田んぼは、静かになった。
時折 藁を集めている人を見かけるだけで ほとんど人影を見かけなくなった。
 昨年から 今年にかけて 稲作の構造改革が一気に進んできている事を実感する。
この秋は、それに一層拍車がかかってきたことを 実感する毎日だ。
 田んぼを支えてきた 大先輩たちが80歳を超え 気力の低下と、代替わりに伴う 担いての
田んぼに対する耕作意欲の低下。 戦後日本の米作りを中心となって支えてきた 1.5ヘクタールから2ヘクタールの中核的稲作農家が 一斉に田んぼからリタイアしはじめた。
 相変らず農政は、まったく現実無視の農政が続く。 規模拡大加算という政策があるが、そんな政策がなくとも 担い手農家に どんどん田んぼが集まり始めた。 
10ヘクタール~20ヘクタール規模の農家は珍しくなく、それが 一気に増えてくる現状だ。

一番の問題は、これからの日本の食糧を安定的に継続して生産出来る担い手を 如何に確保するかだ。  担い手の質、経営能力が問われる時代が来たと感じている。
 必要なのは、担い手農家の経営能力を高める政策だ。
相変らず、産業政策としての農政には程遠い社会福祉政策の延長としての田んぼの担い手政策
が続いているが、最近の現場で起きている急激な 稲作の構造改革の動きが分かっているのだろうか。
生産現場の農家の状況を 感覚的に一番分かっている存在は JA職員ではなく、農機具屋さんかもしれない。  最近の話しでは、 農機具が極端に売れなくなったという。 それも300万から400万円代の農機具が売れないのだという。 察するに そのお客さんは 2ヘクタール前後の稲作農家
だろう。  いくら叫んでも 担い手対策に本気で取り組まなかった そのつけが日を追うごとに大きな問題となって農業現場にのしかかってくる。

 どうにかなるだろうと、問題を先送りしてきたが どうにもならないところまできたということだ。
日本の食糧を 責任もって担っていくという気概をを持った産業人としての誇りを持った担い手育成に農政は集中する時に来たと思えてならない。
以前よりもまして そう思う。


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2012年11月29日 22:00に投稿されたエントリーのページです。

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