今朝、作業場で仕事していると突然Sくんがやってきて「今年の冷害で 田んぼ手入れするのが 嫌になったんで来年から全部田んぼを引き受けて欲しい。」「家で食べる分のコメさえもらえばいい」というのです。
Sくんの親父さんが生存中は、我が家では農作業全般に渡りお手伝いしていただきましたし、Sくんも、会社勤めの傍ら朝晩
熱心に田んぼに通っていました。
それがそれがです。
「田んぼ や~~~メタ」
そんな事いわないで、来年もやったらと言ったのですが結局 我が家で面倒 見る事になりました。
田んぼに対する 思いは確実に変わってきました。
年齢が、若いほど田んぼに対する想いは、戦後の食糧難を支えてきた60代から70代の百姓先輩たちの想いとは 確実に変わってきています。
戦後の高度経済成長以来、日本のコメ作りを支えてきたともいえる兼業稲作農家体系の根幹が 大きく揺らいできました。
今日までの農政が 農家対策にのみに特化しすぎたといえます。 肝心の田んぼに情熱を注ぐ若者から毛嫌いされるくらいコメ政策は、無責任で分かりにくいモノになってしまいました。
そんな、農村から消費者の皆さんに理解していただける 魅力あるコメ生産が出来るはずはないでしょう。
後継者が夢を描けるコメ農政・ コメづくり環境をつくり出さない限り 日本のコメ作りは壊滅してしまう可能性があります。
日本のコメを守れ・守れ だけで自らが前に出る事を ヒタスラ避けてきた日本のコメづくり。
若者が希望をもって 取り組める稲作経営環境をいま創っておかないと 本当に駄目になる。
そのためには、稲作経営システムにも 可能な限り競争原理を導入することも 一つの方策だと考えます。
今、日本全国でコメビィジョンが作成され様としています。
多くの市町村で事務局を預かっていると思われるJAおよび行政担当者も理解不可能な言葉(集落農業など)を使ってビィジョンをつくっているのでしょうから その答えは 想像できます。
今年の冷害を機に、田んぼの生産構造システムは大きく変わる
予感がします。
時代の流れにあった 農政の展開をしないと それこそ環境問題や国土保全の大切さ・食料安保ばかりを 外野でもっともらしく唱える評論家ばかりで、肝心の 田んぼを実際に耕作する人がいなくなった!!
そんな事が、現実のものとなることも、そう遠くないかも。
田んぼを 耕作する者があって 全ては始まるののだ。
評論家では、田んぼから 一粒のコメも生まれないのだ。
従来の 保護農政から 若者がチャレンジできるコメ農政の展開が今こそ 必要ではないのか。
そんな事をあらためて 考えさせられた 朝のひと時でした。